おまけの一日

 ホテルのチェックアウトを済ませ、車に乗るとH1へのり、一路、ホノルル空港へ。
 道路は混むこともなく、スムーズに空港へ。案内板がパッと読めない僕の代わりに連れ合いが案内板をチェックして方向を指示してくれる。空港ターミナルの前を通り過ぎ、リターンカーの方向へ。バジェット・レンタカーのパーキングに着くと、係の女の子が車をチェックしてレシートをくれる。オフィスの中に入ると、女性が一人、電話応対をしていた。しばらく待っていると、電話を持ったまま、手招きをする。前まで行ってレシートを渡すと、一目見て、「OK。いいよ。」と、それで返却は終わり。少しして来たシャトルバスに、貸し切り状態で乗ると空港ターミナルへ。
 
 ユナイテッド航空のカウンターでチェックイン手続きを済ませ、荷物を預ける。ちなみに、荷物は搭乗手続きの後にセキュリティーチェックに預けてしまうので、問題なく通ったのかどうか、わからない。荷物を預けるところには、「鍵はかけないでください。」と書いてあるので、怪しい荷物があったら、勝手にあけてチェックをするのだろう。

 置いてある荷物が多いので、自分たちの荷物が通るのを待っている訳にも行かないので、そのまま搭乗口へと向かう。例によって金属探知器の前でパソコンを出し、カメラを出し・・・。探知機を通り過ぎて、荷物を待っていると、カメラの袋を何度か、X線の機械に入れたり出したりしている。そして、僕の方を見ると、「これは、ビデオカメラじゃ無い。」と言ってきた。当たり前である。単なる一眼レフである。「ビデオカメラでは無く、普通のカメラだ。」と言っても、通じなかったみたいで、カメラだけ、別の係員に渡された。その係員に手招きされたので、出てきた荷物と、靴を持って横の机の方へ行く。カメラを紙で一回り撫で回し、測定器のような機械に入れて、「OK。」とカメラを返してきた後、「航空券を見せて。」と言われた。航空券を渡すと、フライトNo.とシート、名前をメモして返してくれた。
 多分、であるが、僕は24mm〜300mmのズームレンズをカメラに装着しており、標準レンズの着いているカメラと比べると、結構、レンズの所が大きい。そのため、ビデオカメラと間違えられたのでは無いだろうか。X線を見るとビデオカメラとは明らかに違うので、別に検査に回されたように思う。しかし、航空券からシートNo.等を控えた所を見ると、航空会社に何らかの連絡が行くのであろうか。ちょっと不安である。

 途中にある店を眺めながら、11番搭乗口に行く。

 11番搭乗口に停まっている飛行機。整備が遅れているのか、
9時を過ぎているのに、荷物のコンテナもこの写真の左側に
コンテナを運ぶ車に載せたまま集積されており、積み込みを
始める様子が無い。



 搭乗予定時間の9時20分が来ても動きはない。まあ、待つだけしか無いのだが・・・。9時40分、まだ何の案内もない・・・。10時頃になると、突然、アナウンスが入った。「機体整備にまだしばらく時間が必要なため、ファーストクラス・ビジネスクラスには10ドル、エコノミークラスには7ドル50セントの、空港内のレストランで使用できるクーポンを出すので、ランチを先に食べてきて下さい。12時までには、また戻ってきて下さい。」という事であった。過去にシアトルでもノースウエスト航空で同じような事があったので、それほど気にする事も無く、クーポンを貰い、「うどんを食べようか。」と、ファーストフードのお店へ行った。うどんとラーメン、お茶を買い、窓際近くのイスに座る。周りにも沢山の人が食事をしている。その合間をツアー会社の人だろう、名前を呼びながらお客さんを捜してうろうろしている。

 11時半頃、あまりうろうろしても仕方ないので、11番ゲートに帰る。と、窓の外には・・・飛行機が・・・な、無い?周りに集積していた荷物も無い。機体のトラブルが大きくて、別の機体でも持ってくるんだろうかと思いながらしばし待っていると、12時になり、放送が始まった。「機体整備にさらに長時間を要する事が判明し、フライトは明日の朝、8時になりました。」英語で始まった放送だが、このあたりは聞き取る事が出来たので、「えぇ〜っ!」であった。「ホテルを用意します。ファーストクラスとビジネスクラスの方はヒルトン、エコノミークラスの方はマリオットへ、バスでお連れします。一人あたり、ファーストクラスとビジネスクラスの方は夕食として25ドル、朝食として15ドル、エコにミークラスの方は夕食として15ドル、朝食として10ドル、部屋にチャージされています。明日の朝、5時半にピックアップします。今晩はあなたのディナーをエンジョイしてください。」と言ったような内容であった。ただ、英語で「朝が早いため・・・・」というアナウンスがあったのだが、日本語に訳されなかったため、全文はわからなかった。

 たまたま、僕は一日余分に休暇を取っていたため、帰ってから一日、片付けをする日が無くなるだけであるが、連れ合いと、3月から朝刊配達のバイトを始めた息子は、職場に連絡をしなくてはいけない。まあ、どっちにしろ、ホテルに着いてから、であるが。

 バッゲージルームで荷物を受け取って、バスの乗り場に行って下さいとの指示があったので、取りあえず、そっちに向かう。バス乗り場の前で乗客が3列に並んでいて、前の方で名前を呼んでいた為、その後ろに並んだ。しかし、どうやら、様子がおかしい。連れ合いの方が先に気がついたようであるが、この列、JTBが自分の所のお客をチェックしていたのだ。今回、初めてこのツアー客というのに、少々、辟易した。まあ、人数が多いのと、旅行会社にすれば自分の所のお客を最優先で確保しなくてはならないのは当然なのだが、あまりにも人数が多いのだ。
 取りあえず、列から抜けて、適当に場所を見つけて荷物を置く。バスが来るまで待たなくては仕方ない。

 とにかく人、人、人・・・。JTBの係の人がさっさと自分の
ツアー客をバスの着く所に並べていく。結局、僕達のような
個人客は、後回しになってしまう。近くにたむろしている
40〜50人くらいだけが個人旅行かと思っていると、後で
この人達もツアー客だという事がわかった。いやはや、
なんとも・・・。



 ここで旅行会社の人に一言、言いたい。自分達のツアー客を守らなくてはならないのはよくわかる。しかし、それと、ツアーに入っていない旅行者を当然のように後回しにするのは、お門違いだろう。先の3列に並んでいたのだって、ちゃんとわかるようにしておいてくれたら、わざわざ並んでいなかった。そうすれば、待つにしても、もっといい場所が確保出来たであろう。前の方で沢山うろうろしていたスタッフの一人が、列の後ろで「JTBツアーの方はこちらに並んで下さい。」と言っていてくれれば、もしくは「JTB」と書いた紙でも持っていれば済む話である。
 バスの乗り込みもそうである。あんな風にさっさと並べられたら、絶対に個人客は後になってしまう。実際、ほとんどのお客がバスで運ばれたあと、まだ乗り切れなかった数十人が残っていたとき、バスでは無く、大型タクシーが何台も来たのであるが、僕達が並んでいる前に来た大型タクシーは小さく、僕達の番になった時には4人が乗ることが出来なかったので、整理しているお兄さんが、「ご免なさい。次の車に乗せるから後に回ってくれませんか。」と言って、隣のレーンに荷物を持っていった。そして、そちらに次の車が来ると、JTBの係は、僕達より前に自分のツアー客を乗せようとしたのである。先ほどのお兄さんが、僕達の荷物を先に持って行ったため、無事に乗る事が出来たが、あの時、もし、ツアー客の方を先に乗せられていたら、またその車には乗れず、最後になっていたかも知れない。

 まあ、実際、ツアー以外の人間なんて、ほとんどいなかった。僕達を含めて、10組もいなかったと思う。今まで行った、どこよりもツアー客だらけだった。もっと少なければ、待っていても知れているだろうし、上記のような事態にはならなかったとは思うが。
 正直、同じ日本人の僕が、一緒になるのは嫌だな〜と思ったのだから、外人の旅行者達はもっとそう思うだろう。外人のツアーも見るが、あれほど見事にかたまった行動はしていないように思う。

 バスに乗ると、周りの女の子が手に名前などを書き込む紙を持っていた。それを見て、個人旅行者だと思っていた、僕達の周りにいたこの人たちもみんなツアー客だったんだなとわかったのである。とにかく、ツアー客の多さにはビックリした。

 朝、レンタカーで走った道を、今度は大型タクシーで反対向いて走る。連れ合いがガイドブックでマリオットホテルを見つけ、「これ、結構すごいホテルやで。」と言ってきた。やがて、車はホテルの玄関へ着いた。荷物を持って玄関から入る。確かに、大きい、きれい、ごうか〜!
 入って階段を上がった所にホテルの人が立っていて、みんな、その周りに集まっていた。「この紙を持っていますか?」と、さっきタクシーの中で女の子が持っていた紙をかざす。持っていないというと、「後で渡します。」と言って、説明が始まった。「この紙に名前と、人数を書いて、あちらにあるフロントでチェックインの手続きをして下さい。フロントに行くのはリーダー一人だけです。他の人はここで待っていて下さい。一人25ドルのクーポンを受け取り、1階か3階のレストランでディナーを食べて下さい。」と説明があった。説明が終わり、人がばらけ出すと、ホテルの人がこっちにきて、連れ合いに紙を渡す。二言三言、言葉を交わし、「じゃ、おかあさん、手続きに行って下さい。」と言った。なかなか人の良さそうなおじさんである。連れ合いが戻ってきた。「向こうの棟の1618号室だって。」またまた16階である。
 荷物を持って移動する。しかし、広い。少々荷物が応えてくるほどである。一階はまるでショッピングセンターである。ようやくエレベーターまでたどり着き、16階へ上がる。そして部屋へ・・・。

 大きなダブルベッド。もう一組、シーツとブランケットをもらい、
ソファーをベッドにする。今回の旅行で、一番贅沢な部屋だ。
 洗面所も豪華。広い。バスタブも大きく、実に気持ちがいい。
 これは一階ロビーの一角だが、すでにロビーというには、無理がある
ような・・・。数社のツーリストの事務所、レンタカー会社、ブランド店、
その他にも北端と南端、2軒もABCストアーが入っている。
 はっきり言って、自分では泊まりません。 (^^;
 窓からの景色もワンダフル!である。
 取りあえず、連れ合いと息子は職場にもう一日、休む事を伝える為、
電話をかける。連れ合いの方は日本が日曜日のため、同僚と、実家
の妹に職場に電話して貰うよう、伝言を頼む。
 少し外をうろうろした後、25ドルのクーポンを持って一階のレストラン
へ向かう。入り口で25ドルのクーポンを渡すと、食べ物はバイキング
形式であった。考えてみれば、朝の飛行機のトラブルがあってから、
130人〜180人くらいの人数を数時間で受け入れ、食事の準備まで
したのだ。大きなホテルでないと対応出来ない訳だ。
 しかし、バイキングも豪華で、大きなローストビーフの塊から写真の
肉を切ってくれた。飲み物だけ、別会計だ。
 もちろん、食べ放題のデザート。種類も多く、次から次へと出てくる。



 まあ、予定外の宿泊だが、これならたいていの人は文句を言わないだろうと思った。

 再度、荷造りを済ませると、ゆったりとしたバスでゆっくりと過ごし、明日が早い為、早々に大きなベッドへと入った。

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